肩こり改善には胸も大事

肩こりの方で、胸が痛くなったり、息苦しさを感じたりされることがあります。
自覚がなくても、鎖骨の下を軽く圧しただけで痛みを感じる方は多いです。
あまり取り上げられることはありませんが、これも肩こり(の原因?)のひとつです。
体のバランスは、体幹・手足の前後左右の筋肉が引っ張りあってバランスを取っています。
テントを立てるときに、てっぺんから4か所ぐらい引っ張って杭を打ち込んで立てますよね。
あれも、四方から引っ張っているからテントのバランスが取れているわけです。
人間の体にも同じように、四方に引っ張ってバランスを取る機能があり、微妙に力をコントロールして、安定しています。
肩こりの方はみんな頭が前に突き出た形ですから、重い頭を支えるために肩・首・背部の筋肉が引っ張ります。
頭だけ引っ張ればいいんですが、広範囲についている筋肉もありますから肩も一緒に後ろに引っ張ります。

でも、ふつう人が作業をする時の基本的な形は胸の前に両腕で大きな球を抱えた形です。
つまり、うしろに引っ張られている肩を前に出さなければならないわけです。
そのとき、胸の前についている小さな筋肉『小胸筋』が頑張るのです。
小胸筋
『小胸筋』は鎖骨と腕の付け根の下から左右の胸の骨(肋骨)の中央あたりをつなぐ、肩を前に出すために必要な筋肉です。
この小さな筋肉と、後ろ側の大きな肩まわりの筋肉が引っ張りっこをするのですから、小胸筋が張って固くなるのも当然です。
この小胸筋が固く張ってしまい、肋骨に負荷をかけて動きを制限してしまうので、胸が痛くなったり息苦しく感じたりするのです。
そのうえ、肩を前に引っ張るために姿勢まで悪くする原因にもなりますので、肩が辛い時には、肩だけでなくこの胸の筋肉も緩めてあげましょう。

ただし、胸が痛い、息苦しいという症状の原因は他にもありますからご注意ください。