セルフケアのためのストレッチの強さは?

2年以上前に感じ始めた首の痛みで来院のお客様。
6割がた良くはなっているが、後の4割がなかなか良くならないとのこと。
とても健康意識の高い方です。
整形外科に何か所か通われ、鍼灸マッサージにも通われ、習ったセルフケアもしっかりと続けられています。
病院でも施術院でも毎週1回で3カ月はしっかりと通われるそうです。
だから、そこで出た結果は正しいだろうと思います。
セルフケアは病院で教えてもらったストレッチです。
「どんなストレッチですか?」
「こんな風にやります(実演してくれました)」
「強さはどのくらいなんですか?」
「...病院では気持ちいいぐらいの所で止めて少し時間をおきなさいと言われたんですが、素人考えで強めにやった方が効果が高いと思って強めにやってます...」
「そうですね、残念ながらお医者さんの言っている方が良いですね」
「そうなんですか。強くやってはダメなんですか」
その後にご説明したのですが、体に刺激を与えるには、適した強さがあります。
強すぎては変化が出にくく、むしろ弱すぎる方が確実に変化が出ると言っても過言ではありません。

体の仕組みの大前提は「生命の維持」です。
まず自分の命を守るための働きをします。

外から強い力を加えられれば、破壊されないように防御します。
防御されると、当然与えたい刺激が跳ね返されてしまいます。
それでも強引に力技でやるとすると、体が防御することをあきらめるほど強い刺激にしなければなりません。
とてもリスクが高いです。
それなら、体が気持ちよく受け入れてくれる程度の刺激を与えれば簡単ですよね。
気持ち良い状態で防御するような体はありません。
セルフケアでストレッチをしようと思ったら、ゆっくり気持ちのいい強さで、ゆっくりと時間をかけてあげましょう。